下関の整体です【第5章】ADLと環境設定 2.靴を履くための日常生活動作と環境設定 《その3》それぞれの履き方におけるポイントと環境調整
ななかの山田です。
いつもななかのブログをご覧戴き、
本当に有難うございます。
おはようございます。
1988年の今日、
瀬戸大橋が開通した日
だそうです。
瀬戸大橋が開通したことにより、
JR7社の路線が全て
繋がったことで、
『一本列島』という
キャッチフレーズも
生まれたのだとか。。
一昨年、
四国へ旅行に行った時、
しまなみ海道から四国へ入り、
淡路島へ行って、
明石海峡大橋で
本州まで渡った後、
また引き返して、
帰りは瀬戸大橋で
帰ったことを思い出しました。
二泊三日の旅行でしたが、
あの時は本当によく走りました。
瀬戸内って本当に
良いところですね(^^♪
歳をとったらああいう
ところでのんびりと
過ごしたいと思いました。
さて。
91回目の今日で、
足と靴についてのお話し
最終回となります。
【第5章】
ADLと環境設定
2.靴を履くための
日常生活動作と環境設定
《その3》
それぞれの履き方における
ポイントと環境調整
と題してお送りします。
☆立ったままで履く場合
ひもやベルトがない靴を
履く場合は、立ったままで
履く事があります。
立ったまま履く場合には、
靴の足尖部分を地面に
叩き付けるようにして、
足部を靴の中に入れ、
踵を通すという方法を
使う人、また、月形しんの
部分に靴べらや指を入れて
履く人が多いと思います。
この方法は、
アキレス腱と靴の間に
空間ができるような
履き方に繋がります。
靴のサイズが足部のサイズに
あっている場合には、
逆に踵が入りにくい
ことがあるので、
その場合には靴べらを
使用します。
靴べらを使用することなく、
足部を靴に入れる事が
できる場合には、
足の甲の押さえが
十分でない事があり、
動作時に靴が脱げかけ、
靴擦れ等を引き起こす
原因となる事があります。
小さな靴べらを
使用する場合には、
体幹を大きく前屈させ、
靴に上肢を届かせることが
必要なのですが、
体幹の前屈が
制限されている場合には、
長めの靴べらを使用し、
靴まで手が届かない
状況を代償させています。
立位姿勢が安定している
場合は良いのですが、
立位が不安定な場合には、
上肢でつかまれる場所を
確保する事が重要です。
下肢機能に問題が
少ない場合には、
股関節を屈曲したり、
膝関節を屈曲したりして
片脚立位にて靴を履けるか
どうかは、下肢機能の一つの
バロメーターにもなり得ます。
片脚立位が不安定な
場合には、次項に示す
“座って”の方法を
とるようにしたい。
また、片足を挙げたまま
履く事が難しい場合、
その片足を台の上に
乗せるなどして、
足部を安定させた状態で
靴を履かせるという
指導を行うこともあります。
環境整備としては、
片足を浮かせた状態で
靴を履くよりは、
何らかの上に足部を
乗せる事で安定させようと
する事が大切です。
☆座って、体幹を前屈して
ベルトやひもを締める場合
椅子や台の高さが
下腿の長さに
適している場合には、
体幹を前傾し、
靴まで上肢をのばし、
ひも等を結ぶようにします。
台が高く、
足底が付いた状態を
保持できない場合には、
足台を配置し、
足台の上に足部を乗せ、
足底に向かって
下腿の長軸に圧を
加えることが出来る
環境を整える事が
必要となります。
足底が適切に接地している
のかについては、
足底の感覚に問題がない
場合は良いのですが、
知覚障害等がある場合には、
視覚的に踵が靴に収まって
いる事を確認する事も
大切となります。
さらに、
この方法でひもを
締める場合には、
体幹を大きく前方へ
屈曲させることになるため、
前方へ転倒しない
座位バランス能力が
必要となります。
そこで、
靴を履く練習を行う前に、
上肢が足部へ届く
前屈姿勢が安定して
とれるようになるための
座位保持練習が必要です。
靴を床の上に
置いたままできる人、
足台の上に置いて
ひもを結ぶ人の
いずれの場合にも、
股関節の十分な
屈曲の可動性が必要であり、
股関節の可動域制限が
見られる場合には、
体幹の前屈を伴った
履き方が無理な場合も
あるのです。
☆足を組んで靴を履く場合
体幹を前屈し、
足元へ手を伸ばすと
前方への転倒傾向を
呈する人の場合には、
座った状態で足部を
反対側の大腿部に
乗せるように組んで
履くようにします。
靴を履いている途中で、
足部が大腿部から
落ちてしまわないように
固定する事がポイントです。
この方法は、
靴に足部を入れるというよりは、
靴を足部に合わせるようにして
履くというイメージです。
この姿勢で履く場合の
注意点は、座位姿勢の
保持です。
座位姿勢が不安定な場合には、
足部を大腿の上に持ち上げて
くることで骨盤が後傾し、
後方転倒する可能性が生じます。
また、
靴を履こうとした場合に、
共同運動パターンの
残存状況によっては、
股関節が屈曲し下肢が
上方へ逃げていくことも
想定しておく必要があります。
靴だけではなく、
場合によっては、
プラスチック下肢装具の
装着が必要な場合も、
この材で足を組んだ方法が
使われます。
踵が装具の踵部にしっかりと
固定されることが大切であり、
その確認を疎かにすると、
歩行時に踵が浮いた
状態となります。
踵が浮いた状態で
歩行していると
荷重時に踵の上下運動が
生じることになり、
異常な筋緊張を
引き起こすようになるのです。
《メモ1》
踵の収まりよく
靴を履く事で、
月形が動かず、
安定して靴を
履く事が出来る。
このことは、
靴擦れを予防する
事にも繋がる。
☆しゃがんでベルトや
ひもを締める場合
ベルトやひもを締める
側の足部を前方に出し、
足関節が中間位になる程度で
踵が浮かないように
屈曲します。
脚力がある場合は、
反対側の膝も
浮かしたまま
屈曲していき
バランスをとるようにします。
地面が濡れていない場合、
しゃがんだ姿勢を保持する事が
難しい場合などには、
膝をつくというやり方も
あります。
靴の月形部へ踵が収まり、
アキレス腱部に遊びがない
ことを確認したうえで、
ベルトやひもを
締めるようにします。
ひもの場合には、
足尖側より順に
締め上げてくるように
する事が大切です。
片方の靴ひもを
締め終わったら、
反対側の下肢を前方へ出し、
反対側のひもを
締めることになりますが、
しゃがんだ状態で下肢の
位置関係を変更する事が
困難な場合には、
一度立ち上がる事も
必要になるでしょう。
《フォーカス》
ひもは最後の部分だけを
きつく結んでも次第に
緩んでくるため、
効果は薄くなる。
ひもやベルトを足尖側から
しっかり結ぶことで、
踵骨が靴の中で安定する
ように足背部からの
固定力が加わる事が
大切である。
今日はこの辺で。
健康な身体は自分で勝ち取るもの。
今日で足と靴についての
お話は終わりです。
如何だったでしょうか?
これをご覧になって、
ちょっとでも
靴の履き方や選択に
興味を持っていただければ
幸いです。
最後までお読み頂き、
本当にありがとうございました。
ではまた、
次のお話で(^^♪