下関の整体です【第5章】ADLと環境設定 1.靴の着脱動作 《その5》対象者の疾病、障がい特性による指導のポイント

2022/04/07 足と靴
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ななかの山田です。

いつもななかのブログをご覧戴き、

本当に有難うございます。

 

 

おはようございます。

 

4月も既に1週間

経過しました。

 

入学式や始業式と

新学期、新年度を

迎えています。

 

一昨年の今日、

新型コロナウィルスが

世界的な拡大により、

東京・神奈川・埼玉・

千葉・大阪・兵庫・福岡で

緊急事態宣言が初めて

発令された日です。

 

あれからもう2年。。。

いまだ衰えを知らない

新型コロナですが、

今や我々の日常に

溶け込んでいる

気がします。

 

減らないわりに、

国民がそれほど

気にしなくなっています。

 

これって本当は

恐ろしいことです。

 

今はワクチンの

効果もあってか、

当時ほどの重症化例は

なくなっていますが、

本当に鎮静化したと

言えない以上、まだまだ

油断はできません。

 

 

さて。

 

 

88回目の今日は、

【第5章】

ADLと環境設定

1.靴の着脱動作

《その5》

対象者の疾病、

障がい特性による

指導のポイント

と題してお送りします。

 

 

☆積極的に歩行するが、

何らかの脆弱性を持つ場合

 

1)高齢者の場合

 

歩行時の転倒が

多くなる傾向です。

 

その主原因は

筋力の低下でしょう。

 

そこで、

靴の役割の一つ

『運動要素のサポート』

が重要となります。

この運動サポート機能を

フル活用させるポイントは、

靴を履く動作過程

5)踵を靴に合わせる

6)靴ひも・ストラップ等を

  締めて靴を足にフィットさせる

ことが最優先事項となります。

 

高齢者は、

生活上の諸々の動作を

負担に感じており、

動作過程6)には、

若者以上の面倒さを

感じているようです。

 

面倒でも動作過程6)を

行ってもらうためには、

動作過程を正しく行った

状態で歩いて見て頂き、

『足が軽い』『スッと歩ける』

という感覚を体験して

もらうことが重要なのです。

 

筋力低下を来している

人にとって、この体験は

とても鮮烈に感じるようです。

 

また、踵接地時の

背屈機能の低下が

原因で躓くことが

増えますが、

これを防ぐために、

つま先に反り返りを

加えた形状の靴が、

ここ最近話題になって

いるようです。

 

ただし、

この靴を履くと、

脳の運動企画機能は

(無意識のうちに)

靴の反り返り分を

差し引いた背屈運動を

プログラムするので、

結果的に背屈機能の

弱化に繋がります。

 

従って、本当に必要に

なるまではこの代償は

使用しない方がいいでしょう。

 

2)靴による圧刺激や

摩擦に特に留意が必要な人

 

糖尿病による感覚障害で

靴による圧刺激や摩擦を

感じにくい人、

軽度の関節リウマチで

関節保護が重要な人等が

これにあたります。

 

必ず靴を履いた後に、

視覚や触覚(手で触る)等の

確認動作を加えることが

重要となります。

 

靴ひも(ストラップ)の

締め過ぎ・不足を

チェックするためです。

 

☆片麻痺の人の場合

 

片麻痺が原因で靴を履く

動作に努力を要する場合、

努力の結果、下肢の

伸展パターンが増強され、

動作がますます困難に

なることです。

 

こういう時には

途中でリラックス・

深呼吸してもらうと、

改善される場合があります。

 

尖足があると、動作過程

5)踵を靴後部に合わせる

が困難になります。

 

この場合、

靴を履いて暫く歩いた後、

再度締め直すと良いでしょう。

 

立位や歩行時の正しい

過重負荷は正しい

筋緊張を導き、

底屈筋も緩んでくるからです。

 

靴を履く方向も、

前述したように

重要となります。

(動作過程の1を参照)

 

半側無視ががあり

無視側の靴を履く事が

困難な場合、

足を組む事が可能であれば、

足を組み、足部を非無視側に

置くだけで動作が大きく

改善します。

 

ただし、

無視側で靴を履く動作を

繰り返すことによる

『無視の改善への

アプローチ』の

必要性を考慮する

ことも重要となります。

 

☆認知症及び動作性知能の

低下がある人の場合

 

靴を履く動作に

困難が生じ、

長年使っていた履き方が

もはや通用しない場合、

その困難を解決した

履き方が必要となりますが、

認知症や動作性知能低下が

著しい対象者は、

そのような問題解決・

動作工夫が非常に苦手です。

 

セラピストも含め

認知症ではない人なら

無意識に行われている

工夫ができない事が

問題となっている場合、

特にセラピストはその問題に

気付きにくいのです。

 

例を挙げれば、

『足がこの方向に

しか進まないから、

その足の動きに合わせて

靴を置いてみる』

という工夫です。

 

訓練は動作学習

(同じ動作の繰り返し学習)

になりますが、

セラピストは、

対象者の問題点を

的確に把握し、

必要な動作過程を端的に

指導していかなければ

なりません。

 

動作性知能のみに

低下があり

言語性知能が高い

対象者の場合も、

セラピストは問題に

気付きにくいのです。

 

運動機能は良いのに

なぜできないのか?

と思ったら、

動作性知能低下を疑い、

作業療法士や

言語聴覚士から

その情報を得ると良いでしょう。

 

認知症の人の場合は、

好ましい動作以外の動作を

させない』指導方法が、

動作学習には適しています。

 

 

今日はこの辺で。

健康な身体は自分で勝ち取るもの。

 

 

89回目の明日は、

【第5章】

ADLと環境設定

2.靴を履くための

日常生活動作と環境設定

《その1》

皆さんは、どのような

姿勢で靴を履いていますか?

と題してお送りします。