下関の整体です【第4章】シーン別の靴の処方 4.透析患者のための靴 《その1》透析患者特有の足にまつわる問題点とは?

2022/03/27 足と靴
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ななかの山田です。

いつもななかのブログをご覧戴き、

本当に有難うございます。

 

 

おはようございます。

 

昨日、

全国各地の地方銀行や

ローソン銀行で

ATMやネットバンキングが

使用できなくなる

トラブルが出ていたようです。

 

これすべて

日本IBM系の

IT会社のデータセンター

の電源が落ちたことが

原因だそうです。

 

先月末にもみずほ銀行が

ATM障害を起こした

ばかり。

(みずほ銀行の場合は

もう何度もトラブルを

起こしているので

これは会社の体質かと‥)

 

3月14日のeーtaxの

トラブルといい、

銀行のこうした

トラブルといい、

一番大事な時に

使えなくなるのは

如何なものか‥‥。

 

システム障害は

皆無とはいかないでしょうが

利用が集中するタイミングは

想定できるはず。。。

 

システムの脆弱さが

露呈された一件でした。

 

 

さて。

 

 

77回目の今日は、

【第4章】

シーン別の靴の処方

4.透析患者のための靴

《その1》

透析患者特有の

足にまつわる問題点とは?

と題してお送りします。

 

 

☆現在の透析患者の

特徴について

2010年12月末時点での

透析患者さんの数は

約30万人となり、

以前よりなだらかな

増加となってはいますが、

年間で6,500人の患者さんが

透析導入に至っています。

 

透析に至る原疾患は

1998年以降、

糖尿病性腎症が第1位となり、

現在ではその43.5%を

占めているのです。

 

透析導入平均年齢は

67.8歳と上昇傾向を示し、

認知症や老化など、

日常生活活動(ADL)が

低下している患者さんに

透析が導入されている事も

珍しくはありません。

 

また、

透析治療の進歩により

長期透析患者さんが

増加しており、

透析治療の合併症である

透析アミロイドーシスや

腎性骨異栄養症など

新たな問題も出現しています。

 

☆透析治療が及ぼす影響

透析治療の目的は、

①血液中の老廃物の除去、

②過剰に蓄積された水分の除去、

③電解質・pHの改善

などです。

 

透析により体内には、

様々な変化が生じるのです。

 

1)透析治療前は高血圧、

透析治療後は低血圧になる?

 

透析患者さんは、

透析してから徐々に

尿量が減少し、

尿閉している事が多いです。

 

そのため、

体液量(循環血液量)が

過剰になり、静脈還流量の

増加が心拍出量を

増加させて、血圧を

増加させます。

 

また腎臓で産生される

プロスタグランジンなどの

降圧物質の産生減少や、

造血作用のある

エリスロポエチン製剤による

副作用などで高血圧を

呈しやすくなっています。

 

透析患者さんにおいて

高血圧は、心・血管系

合併症の発症や死亡率に

密接に関与するので、

収縮期血圧180mmHg、

拡張期血圧が110mmHg

以上にならないように

調整されています。

 

透析患者さんの

高血圧に対する治療の

第一選択として、

まず体液の調整が行われ、

透析治療では、

体重の3~5%の水分を

4時間かけて体外に排出します。

 

急激な短時間の排除は、

循環血液量の減少を生じ、

その現象に対して

心拍出量や血管収縮などの

代償が間に合わないと、

透析治療後の血圧低下を

生じます。

 

《メモ》

透析患者さんの適正体重

透析治療中の血圧や浮腫の

状態で適正体重を

決定していたが、

現在ではさらに、

心胸比(CTRという)を利用

している。

男性で50%、

女性で50~55%を

目標としている。

 

2)透析治療で足の

サイズが変化する?

 

体重量が増加している

透析患者さんでは、

下腿や足部に水分が

貯留し、浮腫の状態を

呈する事が多いです。

 

短時間での水分の排出を

行う透析治療を行った後では、

おのずとその変化が

生じることが理解できます。

 

ある報告によると、

透析治療前後において、

前足部、後足部共に

サイズが減少したと

いう事です。

 

3)透析患者さんは、

動脈硬化になりやすい?

 

透析患者さんの死亡原因は、

感染症・心不全・

悪性腫瘍・脳血管障害の

順となっており、

一般的な死因と比べて

少し異なった結果と

なっています。

 

特に近年、

心疾患での死因が

増加の一途を辿っています。

その背景にあるのが、

心・血管系の石灰化による

動脈硬化や糖尿病による

血管の病変なのです。

 

透析患者さんの多くは

糖尿病を基礎疾患と

していますが、

それに加えて

透析患者さん特有の

問題を考えなければ

いけません。

 

透析治療では

血液中のリンの排出が

不十分となり、

高リン血症を呈する

患者さんが多くみられます。

 

高リン血症では、

二次的に副甲状腺ホルモンが

過剰に分泌されると、

骨からのカルシウムが

流出します。

 

血液中に流出した

カルシウムは

リンと結合し、

石灰化の原因である

リン酸カルシウムとなって

全身に貯蓄されます。

 

血管に沈着すると、

動脈硬化の原因となるのです。

 

4)透析患者さんの足は

傷ができやすく、治りにくい?

 

糖尿病を基礎疾患と

している透析患者さんは、

歩く事で靴擦れなどを

引き起こしてしまう

可能性が高いと言えます。

 

糖尿病による血管の

病変と透析患者さん

特有の石灰化による

動脈硬化が、

抹消循環不全を引き起こし、

靴擦れから下肢切断に

至る場合もあるのです。

 

そのため、

経皮的血管形成術(PTA)や

人工血管によるバイパス術を

必要とする患者さんも

少なくありません。

 

☆透析患者さんは

どのように靴を選んでいるか

1)透析患者さんが

感じている事は?

 

『透析日と非透析日で

履物を変えないといけない』

『足が腫れるので靴ひもを

締めにくい』など、

患者さん自身も足の浮腫と

靴の不適合性を自覚している

事がうかがえます。

 

2)どのようにして

靴を選んでいるか?

 

『足にフィットした』

との意見が聞かれたそうですが、

歩行できる患者さんであっても、

『靴の脱ぎ履きが容易である事』や

静的な足と靴とのフィット感を

重視する患者さんが

半数以上を占めたそうです。

 

実際に購入前に試し履きを

する患者さんは1/4程度

だったそうです。

 

3)靴の購入について

誰に相談するか

 

誰にも相談しないで

購入する患者さんが

大半だったそうです。

 

 

今日はこの辺で。

健康な身体は自分で勝ち取るもの。

 

 

78回目の明日は、

【第4章】

シーン別の靴の処方

4.透析患者のための靴

《その2》

理学療法士における

透析患者の足との関わり

と題してお送りします。