下関の整体です【第4章】シーン別の靴の処方 3.糖尿病患者のための靴 《その1》糖尿病患者に特別なフットウェアが必要な理由
ななかの山田です。
いつもななかのブログをご覧戴き、
本当に有難うございます。
おはようございます。
東日本側での地震が
多発し、火力発電所が
止まっています。
かと思えば、
今日の深夜頃、
台湾付近を震源とする
M6.6の地震があったようです。
最近多発している地震。
何かの予兆でしょうか?
悪いことが起きなければ
良いのですが‥‥。
さて。
73回目の今日は、
【第4章】
シーン別の靴の処方
3.糖尿病患者のための靴
《その1》
糖尿病患者に特別な
フットウェアが必要な理由
と題してお送りします。
糖尿病三大疾病症の
一つであり、
最も早期に出現するのが
糖尿病性神経障害です。
高血糖が持続する事で
神経が変性したり、
神経を栄養する
毛細血管の障害で
血流が低下したり
することが原因で
生じると言われています。
糖尿病性神経障害とは、
運動神経障害、
知覚神経障害、
自律神経障害の総称であり、
それぞれが糖尿病性足病変の
重大な原因となるのです。
☆運動神経障害~
足趾の変形が生じ、
市販の規格靴では合わなくなる
運動神経障害により、
筋肉・腱組織のバランスが
崩れると足趾が変形します。
代表的なものに
外反母趾、内反小趾、
ハンマートゥ、
クロウトゥなどがあります。
変形を生じた足趾は、
市販の靴では合わなくなり、
歩行時の圧迫やずれにより
指尖部や関節などの
突出部に胼胝や鶏眼を
形成します。
☆知覚障害~
痛みを感じないため、
傷が出来ても分からない
通常、鶏眼や胼胝は
非常に痛く、歩行に
支障をきたすほどです。
しかし知覚神経が
障害されると痛みを
感じないため、
気が付かないのです。
また、合わない靴を
履き続けても、
足と靴が合っていない事が
分かりません。
その結果、
鶏眼や胼胝が悪化して、
そこに菌が感染し、
足が真っ赤に腫れ上がって
初めて受診してくる
患者さんも少なくありません。
☆自律神経障害~
感染に対する皮膚の
防御機能が弱る
自律神経とは、呼吸、循環、
代謝、体温調整、消化、
分泌、生殖など無意識に
行われている機能を
調整する神経であり、
この神経が障害されると
便秘や下痢、起立性低血圧、
排尿困難などが生じます。
発汗機能も障害されるため、
皮膚は乾燥し、亀裂が入り、
感染に対するバリヤー機能が
失われ、健常人よりも
感染しやすくなります。
さらに糖尿病患者さんでは、
下肢の血管も障害されやすく、
末梢動脈性疾患(PAD)、
神経障害に加え下肢の
虚血が生じると、
さらに予後は悪くなります。
このように糖尿病患者さんは、
傷ができやすく、
治りにくく、
悪化しやすい状態にあります。
感染が骨に及び骨髄炎となれば
足切断となることもあり、
生命予後にも影響します。
そのため、まず適切な
フットウェアを履いてもらい、
胼胝や鶏眼、
傷を作らせない事が
非常に重要になります。
多くの糖尿病患者さんは
傷が出来、病気にかかって
初めてケアの必要性を
教えられるのが現状ですが、
今後は予防の意味での
フットウェアの使用を
広めていかなければ
なりません。
また同時に、
自分でも足をケアすること、
靴をチェックする事などの
患者教育が必要です。
既に傷が出来ている
患者さんでも、
フットウェアで
除圧するだけで
治癒する事があるほどです。
やむを得ず足趾の切断に
至った患者さんでも、
適切なフットウェアの使用により
想起のリハビリが可能となり、
社会復帰までの時間が
短縮できるのです。
なお、糖尿病勢足病変の
再発率は高いのですが、
適切なフットウェアが
3年後の再発率を
60%から30%に
減少させたという
報告さえあるほどで、
再発予防としても重要な
役割を果たすことが
わかります。
今日はこの辺で。
健康な身体は自分で勝ち取るもの。
74回目の明日は、
【第4章】
シーン別の靴の処方
3.糖尿病患者のための靴
《その2》
糖尿病靴の種類と
屋内履きについて
と題してお送りします。